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あきる野9条の会
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2010.4.11 学習会の報告

 韓国併合100年と『坂の上の雲』
講師 梅田欽治先生(宇都宮大学名誉教授)
日時 
4月11日(日)1:30pm〜4:00
会場 あきる野市中央公民館音楽室 地図はこちら
資料代 200円 どなたでも参加できます  主催 あきる野9条の会
会では東アジアの平和のための学習会を開催します。テーマは「韓国併合100年と『坂の上の雲』」です。日清戦争で台湾を、日露戦争で南樺太を、そして「併合」により朝鮮を日本の領土とし大国へと進む明治の時代、司馬遼太郎が拒んでいたその時代の小説「坂の上の雲」の映像化をNHKがテレビ放映しました(写真右、NHKホームページより)。一昨年、「田中正造と憲法九条」のお話しをされた梅田先生(写真)が明治の時代を見つめ、東アジアの平和を語ります。ご期待ください。
◆学習会の報告
関心も高く54名が参加 
挨拶する瀬沼辰正代表  講演する梅田欽治先生  NHKホームページ「坂の上の雲」より


会場の様子

 あきる野9条の会は4月11日、韓国併合100年と「坂の上の雲」をテーマにあきる野市中央公民館音楽室で学習会を行い、54名が参加した。
司会の華房さんは「大変残念なことですが」と九条の会呼びかけ人の井上ひさしさんが9日になくなったことを報告した。瀬沼さんは、昨年読んで感動した本として07年7月に亡くなった小田実さんの短編小説「『アポジ』を踏む」の最後の部分を朗読、「韓国・朝鮮のことについては私にとっても欠落している事柄だ。今日はしっかり学びたい」と主催者挨拶。
講演した梅田欽治先生(宇都宮大学名誉教授)は「日本は日露戦争と平行して韓国併合を強制してきた。これに反対する韓国人民の抵抗闘争を武力で弾圧した。日露戦争の勝利により、日本国民のなかにナショナリズムが高揚したが、併合に反対するものもいた。大逆事件などでは恐怖政治をつくり出した。日本の敗戦によりポツダム宣言で朝鮮は日本の植民地から解放されたが、日本が自ら行ったのではないことに重い問題がある」と話した。「坂の上の雲」に関して司馬遼太郎自身が映像化を許さなかったことあげ、「歴史書と異なり小説は作者のフィクションが入る。視聴者はこのことを念頭に入れてみることが必要だ。作者は、秋山兄弟の行動を明治の明るい側面として描き出し、暗い側面を無視している。しかも、作者は日露戦争を祖国防衛戦争と規定していること、日本が韓国を軍事侵略する過程が日露戦争であり「協約」により次々に主権を奪って併合したもまともに書いていないことが問題点である。これらのフィクションにこそ作者の歴史観が示されていて、映像化によってそれがさらに増大化されると思われる。なお、最終章が『雨の坂』となっていることは、作者の意図がおのずから変化したのではないか」と述べた。
参加者から「17年に朝鮮で生まれたが、母のお乳の出が悪く現地の人にもらって育ったが、父がそのことを知って母を怒ったと、父の死後母から聞いた。日本政府が朝鮮人を日常的にも卑下するように仕向けてきたからと思った」などの発言と質問があった。
閉会の挨拶で前田事務局長は「九条と合わせて平和の課題はもうひとつある。『核兵器のない世界をの』さらに広げましょう」と呼びかけた。

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